きっと絶望だ


 押さえれば止まることのない血が更に服を汚すだろうから、極力左腕を体から離して歩いた。

 「どーすんだよ、これ」

 うんざりしながらも行き場のない足はふらふらとさまよう。

 居場所なんて、ないんだ。

 彼のいないここに、私の居場所なんて。

 彼はきっとこの傷を見て傷つくのだろう。