愛しい人が傷つくからと言い訳し、自らの体を傷つけることを止めていた。

 狂おしい程の嫉妬だとか、絶望だとかを形にした左腕は時折古傷が痛む。

 一週間と短くても、気が狂いそうになる。

 刃物を見ては、手が震えるほどに。