封印戦慄映像

 せめて別れ話を茂の前ではしたくなかった。


先日付き合って欲しいと、茂に打ち明けられたばかりだった。相手は冬馬だとは言わなかったが、彼氏がいるからと断っていた。


私の強い盾がいなくなり、一気に居場所がなくなった感じだった。


「そうだよね。ご馳走までは言っていなかったけど……食事があると言っていたわね。他にもマークがあるのかなぁ? 冬馬も探して」


「ああ……分かったよ」


冬馬は私に遠慮しがちで、壁を這うように探した。部屋は薄暗いため白の模様は、ある程度大きくないと探し辛かった。


「ねぇ、冬馬。これ模様かな? 見て?」


いつから冬馬は直子に扱き使われるようになったの? そんな貴方は見たくなかったな……私達、本当に別れたの?