封印戦慄映像

 直子はゆっくりと振り返り、私を見据えた。


「あー馬鹿らしい。まぁいいわ……陸也、次に映ったらもういいでしょ? 一旦帰ろう? 次に訪れる時は冷静になるから――お酒でもないのかな、苛々する」


「そうだな……どんな物が映るのか次第だけど、そういう事にしとこうか」


うんざりとした口調で言った。女っけのない、身嗜みも気にしない陸也にとって仕事に集中したいのだろう。


――冬馬はなにも言わないのね。


私は直子よりも冬馬を見つめた。以前までは、鼻先で貴方を感じられていたのに、CD一つで簡単に距離が出来てしまうなんて――。


「そういえば魅羅さんがご馳走を用意しているって言ってなかった? お酒もあるんじゃないの?」


茂は直子に素っ気無く言った。