直子は取り乱し、地団太を踏んだ。
「待てよ直子。こんなことは今までに、いくらでも遭っただろう?
ただ……音声関係は殆どやらせだったから、それに比べたら多少心霊現象は起きているのかもしれないけど、今回は44作品目という注目されるべき回でもある。
もう少しだけ様子を見てみようぜ? なっ?」
「陸也! それだけじゃないのよ。私達の関係が露見した以上、この女の顔も見たくないのよ。仕事として、直ぐには割り切れない……」
そう言うと直子は、冬馬の腕に絡ませ私に背を向けた。
「直子……まるで自分が被害者のように言わないでよ! 一番の被害者は私よ? 恋人を取られたんだから!
――私だって貴方と仕事なんて嫌よ。でも割り切って欲しい」
それは己に言い聞かせている言葉でもあった。撮影が終了してから、いくらでも言い合えば良い……今は揉めている時ではない。
「待てよ直子。こんなことは今までに、いくらでも遭っただろう?
ただ……音声関係は殆どやらせだったから、それに比べたら多少心霊現象は起きているのかもしれないけど、今回は44作品目という注目されるべき回でもある。
もう少しだけ様子を見てみようぜ? なっ?」
「陸也! それだけじゃないのよ。私達の関係が露見した以上、この女の顔も見たくないのよ。仕事として、直ぐには割り切れない……」
そう言うと直子は、冬馬の腕に絡ませ私に背を向けた。
「直子……まるで自分が被害者のように言わないでよ! 一番の被害者は私よ? 恋人を取られたんだから!
――私だって貴方と仕事なんて嫌よ。でも割り切って欲しい」
それは己に言い聞かせている言葉でもあった。撮影が終了してから、いくらでも言い合えば良い……今は揉めている時ではない。


