封印戦慄映像

 ――おかしいなぁ。床にもなにも無かったけど……。


「直子、どこに落ちていたの?」


「誰にでも目に付くような、便器のまん前よ? 本当にちゃんと見たの?」


「見たわよ!」


突っかかりのある直子に、ムッとしながらも記憶を過去に巻き戻した。やはりどう考えても思い当たらない。


――あ、あんっ。あっ……こんな所じゃ駄目よ、冬馬。ここは会社よ? 


――分かったよ直子……それじゃあさ、俺の家に行こうよ。


――もう、本当に冬馬は……いつになったら久実と別れてくれるの――。