「でも……ただ、撮影をしていただけじゃない! 荒らしていたわけではないわ!」
歯を食いしばり、撮影現場の記憶を蘇らせた。
「……浅はかな女じゃ。
ではお前は、己の墓を勝手に撮影され、その映像をたらい回しに大勢の人々の目に晒され、挙句の果てに、心霊スポットへと持ち上げられる――。
平気なのか? 屈辱ではないのか?」
詰め寄る良寛に、思わず躊躇った。
「……それは」
「だが問題はそこじゃない。お前は自らの罪から眼を背け、記憶を消した振りをしている」
良寛は長い刃に冷酷な眼光を向けた。それから薄っすらと微笑み、先端の血を舐めとった。
歯を食いしばり、撮影現場の記憶を蘇らせた。
「……浅はかな女じゃ。
ではお前は、己の墓を勝手に撮影され、その映像をたらい回しに大勢の人々の目に晒され、挙句の果てに、心霊スポットへと持ち上げられる――。
平気なのか? 屈辱ではないのか?」
詰め寄る良寛に、思わず躊躇った。
「……それは」
「だが問題はそこじゃない。お前は自らの罪から眼を背け、記憶を消した振りをしている」
良寛は長い刃に冷酷な眼光を向けた。それから薄っすらと微笑み、先端の血を舐めとった。


