「やめて! 冬馬はそんな男じゃない! 浮気なんてしていないわ!」
現実という映像が脳裏に流れ、それを精一杯押し出した。冬馬との楽しい記憶だけを残したい。その想いがあるのに、涙が一筋こぼれた。
「またお前は真実から逃げるのか? しっかりと現実を、その目で見据え、あやつに罰を与えるが良い。
このテープを止めたいか?」
「止めたいわよ! 当たり前じゃない! 馬鹿じゃないの!」
「落ち着け……冷静になるんだ久実。良寛さんの言いなりになっては思う壺だ――ん、なんだこのボタンは?」
陸也は、そっと私の涙を拭き、指先へと目線を移した。
現実という映像が脳裏に流れ、それを精一杯押し出した。冬馬との楽しい記憶だけを残したい。その想いがあるのに、涙が一筋こぼれた。
「またお前は真実から逃げるのか? しっかりと現実を、その目で見据え、あやつに罰を与えるが良い。
このテープを止めたいか?」
「止めたいわよ! 当たり前じゃない! 馬鹿じゃないの!」
「落ち着け……冷静になるんだ久実。良寛さんの言いなりになっては思う壺だ――ん、なんだこのボタンは?」
陸也は、そっと私の涙を拭き、指先へと目線を移した。


