「大丈夫か……久実……頭がぼんやりする」
椅子の背もたれに手をかけた陸也の体が、ふらふらと揺れている。
「しっかりして! これを外してほしい!」
冬馬の椅子と違って両足は縛られていなかった。だが、じたばたと上下に動かしても身動きできないのは同じだった。
「ちょっと待って久実……今外すから――」
「おい! 陸也! こっちが先だろ! どう見てもこっちの方がやばいよ!」
茂のかすれ声。今気付いたように、遠くにいたその者を改めて見上げた。
椅子の背もたれに手をかけた陸也の体が、ふらふらと揺れている。
「しっかりして! これを外してほしい!」
冬馬の椅子と違って両足は縛られていなかった。だが、じたばたと上下に動かしても身動きできないのは同じだった。
「ちょっと待って久実……今外すから――」
「おい! 陸也! こっちが先だろ! どう見てもこっちの方がやばいよ!」
茂のかすれ声。今気付いたように、遠くにいたその者を改めて見上げた。


