「あとあとー泡沫ってやつはなんかオネエっぽいですよぉー
ゼッタイあいつナヨナヨしてますってー
つーかイマドキ可愛い系男子とか、流行んないしー」

「やめたげてよぉ!」

泡沫がこちらを見ながら他の三人に耳打ちを始めた。


「あっとー、山本ってやつ、一人だけ苗字糞ダサいっすよー?
俺の苗字よりもダサいっすよぉー
しかも顔ぜんぜんかっこよくないじゃないっすかぁー」

「やめてくださいお願いします」

山本がこちらをきつく睨む。
その視線に気づいた先輩は、後輩の腕を掴んでその場から逃げようとした。


しかし。


時、すでにおすし。



「おい」

先輩と後輩の二人は、見事に『四天王』に呼び止められてしまった。

二人を『四天王』がぐるりと囲む。

周りが、何だ何だと騒ぎ立てる。