キミに、恋に落ちる。


「……そう、ね。そのお弁当を見ていると、永遠ちゃんへの愛情をとても感じるものね」


 羨ましいわ、と笑う先輩は、なんだか少し悲しそうで。


「……先輩……――?」

「ふふ。逆にうちはね、とても、とても厳しい家柄で。私は実の両親が大嫌いで仕方がなかったわ」


 それは、私が初めて聞く先輩の話だった。


「由緒正しい家柄が何なのかしらね。私には両親の考えが到底理解出来なかったわ」


 だからこそ反抗して、反抗して、反抗して。

 結局一人でこうやって働いているんだけれどね、と。




 やはり悲しそうに、先輩は笑う。