初恋の人―Hatsukoi no hito―

コートの隅に腰を据えた弘瀬に凍らせたスポーツドリンクとタオルを渡し、別の子の元へも運ぶ。



「どうだった?今のシュート」



「…すみません。見る暇ありませんでした…」



試合が近付くに連れ、キャプテンとも目を合わせづらくなった。



足を痛めてる他の先輩の為に、アイシング用に袋へ氷を詰める。



「そっか。忙しいもんな!けど、聖奈が居てくれて助かってる!」



マネージャー業務を休めない現状が辛い。