初恋の人―Hatsukoi no hito―

私と弘瀬の距離は、近付かなくても、離れないと思ってた。

目には見えないけど、絆は深いと信じてた。

それが簡単に、紗槻に入られるとは思わなかった。

紗槻じゃなかったら、親友じゃなかったら、こんな気持ちにならなかったんじゃないかな。

人を好きになった事。

後悔した事。

こんなにも泣いた事。

嫉妬してる事。

全て弘瀬が居たからこそで。

強がり方を忘れたのも、初めてだよ――…。