後部座席に膝を曲げて横になる。

目蓋を閉じようにも弘瀬の顔が浮かび、運転席の座席シートを見つめる。



「よし!帰るぞ」



「一緒に晩ご飯食べようよ?今日は、1人で食べる気分じゃないんだよね…」



「やっぱ強がりか」



お兄ちゃんの独り言を無視し、携帯を開く。

≪追い掛けなくてごめんね。友達として、仲良くしてみるよ≫

理々葉からメールが1通。

弘瀬からは、何もなかった。