初恋の人―Hatsukoi no hito―

高校の最寄り駅に着き、構内にある駐輪場に弘瀬の自転車を取りに行き、ニケツで朝焼けの道を行く。

暑い日が多くなってもまだ6月上旬。

風の冷たさで鳥肌が立つ。



「いつもごめんね?」



「何だよいきなり。どうせ同じ場所に同じ目的で行くんだから気にすんな」



「ありがとう」



荷台に股がりながら、ポツリと詫びる。

普段なら言わないけど、今日は朝からテンションが下がってる。