「そういう事は、好きな人に言うもんだよ」



「嫌いじゃねぇから良いだろ。俺らダチだし?」



…わかってない。

弘瀬って本当に鈍感。

車窓から覗く、顔を出し始めた太陽を細目で見つめる。

私を嫌いじゃないのは嬉しい。

だけど、“ダチ”とはっきり言われると傷付く。



「ま、言いたくなったら言ってくれ。何でも訊いてやるから」



それにさえ気付かない弘瀬。

アピールしても、無駄かも知れない。