止めた時には遅くて、出し切ってしまったらしい。

それでその日は確かに赤字だった。

だからってダメージはあまりないし、弘瀬が気にする必要もない。



「聖奈ん家……行ったんだ?;;」



「昔っから、寿司は聖奈ん家」



「そうなの…」



落ち込んだ紗槻に、何と言えば良いのか。

隣の紗槻を見れず、反対の空いた座蒲団を見つめる。

ーーブーッブーッ

すると、ポケットの携帯が震えた。