「紗槻ー?何、見てるの?」



「…篠束、カッコいいよね」



「そうかなぁ」



駅ビルの窓から、笑顔の篠束と、何かを気にする聖奈が見える。

許せなかった。

聖奈のポジションが欲しい。

でも、理々葉に気を付けないと。



「……」



理々葉が、私に気付いてる。

横目で、怪しむように私を見てる。

…無理に奪わなければ良い。

弘瀬を私にただ振り向かせれば、理々葉は文句も言えないんだから――…。