今にも倒れそうな勢いで居たのに、心配してやるんじゃなかった!

でもまぁ、そこも好きなんだけどね…?



「聖奈、置いてくぞ!」



「待ってよ!」



人のたくさん行き交う駅前。

そこに、笑顔で見守る人と、嫉妬の目を向ける人が居るなんて気付きもしなかった。

私たちは、いつも通りに隣同士で歩いてただけ。



「……聖奈?」



「ごめん。何でもない」



何となく気になった後ろへ振り返る。

モヤモヤとだけする。