初恋の人―Hatsukoi no hito―

「ひ、弘瀬…」



「腹へった…」



「はっ?;;」



「急いで来たから、差し入れて食べ損ねた…」



行きなり、しゃがみ込んだ弘瀬は、本当に空腹の様子。

呆れるも、今は話よりも弘瀬のお腹を満たす事が先決。



「うち、来る?」



「寿司!今すぐ行こう!」



「動く元気あるんじゃない!!」



曾祖父の頃から続く、老舗の寿司屋である我が家。

弘瀬の好物の一つ。

食べ物に対して現金なヤツ。