初恋の人―Hatsukoi no hito―

そんな場所に何があるのか。

理々葉の視線の先を見ると、額から流血してる男の人が、斜面を登ってるのが見えた。

少し離れた外灯、月明かり。

お祭り用の提灯でやや明るくて、よく見える。

それがかえって怖いのだが、服ははだけてるし、どういう事か。



「け、警察…?救急車…?;;
もう、どうしよう…っ!;;」



「――クソッ!」



斜面を登り終えた男性は機嫌が悪そう。

理々葉はあまりの姿に固まった。