弘瀬がこちらに気付き、ばっちり目が合ってしまった。

…ヤバいっ!;;

逃げるが勝ちよと、私は慣れた松葉杖で、歩幅を大きく駆け足で去る。



「――聖奈!!」



「あぁぁ、ババッ…バスケ部だもんね、速いね…;;」



「何で逃げるんだ……って、仕方ないよな…」



…ん?“仕方ない”?

私の逃げたい気持ち、弘瀬が知ってるとでも?

いやいや、それはない。

弘瀬はかなりの鈍感だもん。