携帯を片手に走り回り、聖奈の家にも行ってみたが誰も出て来ない。

冷たい風が吹き、空がゴロゴロと鳴り出した。



「おい…」



聖奈はどこに居るんだ。

どうして、こんな時に天気が荒れるんだ。

ピカピカッと空が光り、すぐに落雷。

いきなりの豪雨に焦り、自宅に帰る。

≪話があるから、連絡をくれ≫

聖奈の身に、何かあったんだろうか。

タオルで髪を拭いながら、リビングの窓から空を見上げる。

…すぐに上がれば良いんだが。