「わざわざ来る事なかったのに。聖奈は、そんなに急いで断りたかったのか?」



「そんなつもりは…」



始めて潜る、先輩の地元駅の改札口。

人気が少なく、自動販売機の横にあるベンチが、少し錆びて居た。

そんなベンチに座ると、先輩は缶コーヒーを買ってくれた。

しかしコーヒーの飲めない私は、渇いた喉を潤わせる事も出来ず、ただ握り締める。



「飲まないのか?」



「飲めないんです;;」



毎日のように買っては居たけど。