初恋の人―Hatsukoi no hito―

袋を片付け、2脚あるベンチの後列端に座り、試合の行く末を見守る。

スコアブックの記入をしながら、接戦な試合に私まで緊張して来た。



「上がれ上がれ!!」



内田先生の声がいつもより強く張ってる。

観客席からの声援も増え始めてる。



「「篠束――ッ!!」」



ーーピピー…ッ

観客席に目を向け、コートから目を離した瞬間、控え選手の数人が弘瀬の名を呼んだ。

直後にホイッスルも鳴り、見ると弘瀬が倒れてた。