初恋の人―Hatsukoi no hito―

「そういや弁当は?」



「あー…中にあります。今は食べる気分じゃなくて」



「だったら篠束にあげてくれないか?腹が満たされてないらしいぞ」



そう言って、先輩たちと水道の水をがぶ飲みしてお腹を満たそうとしてる弘瀬を指差した。

…本当、自分の胃袋の大きさをわかってない。

私は体育館内の更衣室へ鞄を行き、通知表をしまい、藍色のハンカチで包んだお弁当箱を出した。