初恋の人―Hatsukoi no hito―




「……ンーッ…?」



目が覚めて、伸びをすると家と違う場所に居た。

微かに漂う薬品の臭い。

白いカーテンやシーツを見る。

…保健室だろうか。

何でここに居るかもわからないまま、エアコンのせいか肌寒い部屋の中で、何だかほんのり温かい右手を辿る。



「先輩…?」



「…あれ…?ヤベぇ、寝てた」



そこに居たのは、髪の毛が日焼けして、茶色っぽくなったらしいキャプテンだった。