ー「ごちそーさまでしたっ!あぁ美味しかった!」
「さき食べるの早いww」
「だって美味しかったんだもん!」

お昼ご飯を終えた後はバイトに向かわなければいけなかった。
憧れだった二子玉川のスタバで今働いている。

「林、ごめんバイトあるからお先に失礼するね!」
「そっかー、バイト頑張って!今度は休日にゆっくりお茶しよ!」
「うん!じゃあね!」

林と別れた後、バスの時刻表をチェックする。ヤバイ、後2分でバスがくる!
ダッシュしてバス停に向かうとバスはもう来ていた。
「すみません!乗ります!乗ります!」
叫びながら走る。
バスは1回扉を閉めたが、私に気づいて開いてくれた。
バスに乗り汗が噴き出す。
"間に合ってよかったー"
安心しながら一番後ろの席に乗る。
タオルで汗を拭いてると、隣で「ククッ」という笑い声が聞こえた。

「す、すみません...」
といいながら隣を見ると
「深澤お前相変わらずおもしれーわww
叫んでバス止めるとかお前女かよww」
「やっ、宮脇...」

宮脇健悟
高校受験の塾で隣の席だった。
彼とは本当に仲良くしていたが、一時期いろいろあり、そこからぱったりと話さなくなった。

「そっか、お前俺のこと宮脇って呼んでるんだっけ」
「え?あっ...うん。」

宮脇は高校1年の時に親が離婚して苗字が変わった。今は西野というらしい。

「みんな俺のこと西野って呼ぶからなんか変な感じするな!ww」
「そっか...、西野って呼んだ方がいい?」
「いや、宮脇って呼んで!その方がなんかいいわ!」
「わかった」

微妙な雰囲気になる。
"宮脇もいろいろあったんだろうな"
彼の辛さは正直わからない。
でもすごく辛かったんだろうなとは思う。
それにしても背伸びたな。
元から背は高かったのだが、それよりも伸びた気がする。