…熟年離婚か…
ダメだ…内容が濃すぎて
俺には許容不可能だ…
恐らく、こんな話
「それ…音村係長も
知らなかったのだろう?」
ナマ温かい視線を送れば。
「おお、人事部長も知らんやろ♪
レンちゃんに至っては、
気絶しそうになってたわ(笑)」
余程、その時の反応が
愉快だったのだろう。
クスクス思い出し笑いをする。
「はい、到着。」
サイドブレーキの音で
ハッとした。相変わらず、
スムーズな運転をする男だ。
そういえば…
「この車…もしかして…」
道理で見覚えがあるハズだ。
「ご名答。弟の車。
転籍した時に預けてた車を
弟に名義変更したら、
帰ってきたらコレになってた。」
彼が…柏木の弟だなんて…
性格も見た目も全然違うから、
全く気づきもしなかった。
ちょっと動揺しつつ降車する。
「斐川くん!こっちだよ!」
車道の向こう側から
呼ぶ声がして、
そちらを見遣れば、
また今回もセクシーな
ライブ衣装の上から
パーカーを羽織った
係長と師匠が
俺のカノジョを挟むように
並び立っている。
…毎度毎度、
視線のやり場に困るのだ。
…その衣装は…
モザイクをかける事を推奨する。
しっかりするのだ、ダンナ。



