柏木の言う苦戦とは、
プロポーズの事だろう。
あの日も断られたって言ったし。
「まあ、俺は気短いタイプやから
時間かける気ないし。2回如き
抵抗されたくらいで、心折られて
たまるか。」
入社早々転籍までして、
その日のために準備してきた奴が
短気なんて事は無いんじゃないの?
「レンちゃんに、悩む時間を与えて
事が好転するとは思えんからな。
ガンガンたたみかけていくで。」
軽口を叩きながら、
身体を温める程度の1×1。
こうやってまた一緒に出来る様に
なるなんて、思わなかった。
「今日は、係長はこねーの?」
柏木のディフェンスをかわし
シュートを放つ。
「ああっ…クソッ!
レンちゃんは、無理ちゃうかな。
なんや急用入ったって言うてた。」
ボールをドリブルしながら
柏木は言う。
おおっ…すげえ…
さすが彼氏。
俺と斐川より、情報持ってんじゃん。
元マネたちが鳴らす、集合の笛の音が
うるさい位体育館に響き渡る。
「集合か。神島、行くぞ。」
今回は、リヒトと元マネ達が
終日ゲームを仕切ってくれる。
このイベントは、我が社の
提携会社のカリスマ役員
つまり、リヒト自らの企画だ。
いつかの失態を償いたいという
思いもあるのだろうが…
純粋に、その手腕に期待大だ。



