…でも、何かが

ノドに痞えた様に
言葉がでないのは…

テルテルが再婚するという
事実に対する寂しさというより

…どうして…

私は、ずっと一人なんだろうって


違う何かが意識を
支配しているから。


きっと、嫉妬してるんだ。

…私…


自分だけ、幸せから
置いてけぼりに
なっているみたいに
思ってしまっている。


冷静になれば、私は一杯、
大切な人たちに囲まれて
幸せな日常を過ごしている
って、理解できるのに。

「音村さん…?」

何か答えないと…

訝しげに私の反応を見ている
二人を前に、焦りが生じる。


「大丈夫だよ。」


何とか、笑みと共に、
その一言を発すれば
二人は、私の背後に視線を遣り
瞳を見開いた。