係長に連れられて
地下の資料室に入る。
「斐川君には、倉庫整理を兼ねて
資料さがしをしてもらいます。
探す資料は、これね。
私は、下の方をみるから
上の棚を重点的にヨロシク。」
・・・どうやら
俺は、脚立がわりに
連行されたらしい・・・
確かに俺はこの会社の
従業員の中で一番デカイ。
でも、神島だって普通に
180cm以上はある。
よりによって…面倒くさい。
「みつけたら、この箱にいれて。
それから、これ、よかったら
使ってね。」
そういって、係長は布製の
手袋を渡してくれる。
「指先、切れるときがあるし。
斐川君、指先キレイだから。
手袋したほうがいいよ。」
この人は、何気なくいったが…
わかるのだろうか?
俺が、指先に神経を使って
いることにーーーー
ボールを触らなくなった今も
習慣的に手入れしている事を。