格好良く自分を飾ることは簡単で、
ライブの時のMCみたく、美しく
纏めることも出来たけど…

当時の葛藤を――――
当時の思いを――――

そのまま伝えた。

「きっと、テルテルは
この先の人生や周囲に、
どんな障害が起きても
一緒に乗り越えてくれる人を
見つけて、選んだんじゃ
ないかな。」

…私とは、歩めなかった先を
進んでくれる人―――――

そんな人であってくれてたら
いいと思っている。


「音村さんが、案外へタレだったと
いう過去は理解しました。
起こるかどうかも分からない未来に
怯え、事もあろうに俺たちを
みくびっていたとは…」

手厳しい…
私にまで、手厳しいっ!!
テルテルと同じ声で
責めるなよっ!!

泣くぞ!!泣いてやろうか!?

「若かったんだよ。私たちも。
何年前どころの話じゃないし。」

「あの…一つ訂正します。
アノ父に遺産を残せる様な、
見上げた甲斐性は無いと思います。」

一人娘よっ!!
親父には、もっと厳しいなっ!!


「でも…音村さんは
それでよかったんですか?

…父が…他の女と再婚するって…」


――――正直、その質問は

答える事は難しい………


正解は、笑って“思ってる”って。

“昔の選択に後悔はないから”って
言ってあげること。


全員のために、きっと
それが正解だと思う。