「何?騒がしくない?」


楽屋の扉向こうで
騒いでいるのは、恐らく
真月さんの旦那さんだ。

…例年の如く、啓太や
セミプロ弁護士達に
おちょくられて
いるのだろう。

「放っておきましょ。また
樹里が、皆にからかわれて
いるのでしょ。」

そういいながら、
金髪のかつらを被る彼女は、
私より一足お先に外国人風
メイドさんになった。

わおぉ。

谷間クッキリ
ご自慢のスッキリ長い足で
ミニ長けのメイドワンピが
一際映えておりますな♪

「今年は鷹尾センセも
何も言わなかったんじゃない?
毎年、露出が多いってウルサイ
じゃん。」


「ああ…こっちはね。」

そういって苦笑する。

「なるほど。」

自分のバンドの方では
今年もセクシーショットな
訳ですな。

期待しましょう。


「あ。真月さん、背中
ファスナーあげてもらって
いい?ヅラが絡まりそうなの。」

「おやすい御用。」

お揃いのドレスを装着して
名物ボーカルユニットの
完成だ。

2人して鏡の前に並び
出来栄えを確認する。


「うん。いいんじゃない?」


正しくビジュアルに
ウンウン頷いていた時

『レン!!会いに来た!!』

『なんでっ!?リヒト?!』



楽屋の扉が開いた。