無駄な時間を過ごしてしまった…

後日出直そうと
大体の資料の在処を確認する為
書棚をザッとみてまわっていると
倉庫扉の電気錠が解錠する
音がして

「レ~ンちゃん」

呼ぶ声がする。
また戻ってきたのかっ?!

「今度は、なんだよっ!!」

キーッと怒り露に叫べば

「冷たいなあ。レンちゃんは。
なかなか戻らんから
さっきの男に襲われてないか
心配してきたのにな。」

「えっ?!柏木君?!」

テルテルと思っていたのに…

背後から差す影と体温は

超危険新人、柏木君のものでーーー

視界に入る
書棚についた
大きな掌と二本の腕に
動きを封じ込められて

「今日こそーーー
……逃さへんで?」

耳元を吐息が掠めた。