そこから先は、
子どものケンカだった。


「げっ!!音村っ!!?」

「げっ!!っとは、なんだ。
げっ!!とは。
貴様、忘年会で覚えてろ。
鼻からストローで、
ビール吸わせてやるからなっ!」

「あっ?!言いやがったなっ?!
ビールだけぢゃなくて
タバコも吸ってやるよっ!!」

いや、自ら更にハードルをあげる
先輩に、一緒にいた人達も
大爆笑で茶々を入れだす。

「おお!ヤレヤレ!
このパシリ体質が!」

「パシリっつうか、
唯のドMだろ。それ ?!」

こんな収拾のつかない状況に
付き合わせる程、俺の上司は
暇なヒトではない。


しかし、臨戦態勢の彼女に
俺の声が届くとも思えず。


「音村係長。行きますよ。
ここへ、佐藤係長が来ると、
更に状況が悪化します。」


そう言って、彼女を肩に担ぐ。


「えっ?!斐川くん?!
頭に血が集まるんですけどっ!?」



「では。失礼します。」



呆気に取られる先輩社員に
一礼し、事務所へ向かい
歩きだした。