「…お前は?


お前は、寂しくないの?


音村。」



ガラスに映るテルテルの
眼差しが、射抜く様に
こちらをみていて。

瞳を動かさない様に
全力で平静を装う。


「寂しくなんかないよ。

私は、あの子達の上司なんだ。
笑って送り出してやって
社長室で残務処理に勤しむ
だけだ。

あんたのサンプルの
クソな携帯小説の上司と
一緒にするな。

部下を無理矢理
手篭めにするなど
どこの犯罪者だよ。
低俗なのだよ。」


意地っ張りついでに
養生休暇中に丸投げされた
クソな商品サンプル分析の
クレームもぶつけてやる。


「ああ…ありゃあ、確かに
クソだけどな。(笑)

でも…俺は、お前には
そんなケダモノ要素が
あってもいいと思うね。」


そういってクツクツと
笑うテルテルには、
全てお見通しなのだろう。