「悪い。遅なった。」
「お前、動いて大丈夫なのか?」
膝にサポータを巻いて、ゆっくり
歩いてきた柏木は、ポケットから
モソモソと紙切れを出し、
俺のカノジョにそれを手渡す。
「…これで、リハビリメニュー
組めたりする?
これだけ壊しておいて
一ヶ月で治したいとはゆわんけど…
ムコウ行ってる間に、バスケできる様に
したいんやけど…」
「診断書?」
カノジョが紙面に視線を走らせる。
「…いいわよ。
メニュー組んであげる。
自分でも分かってると思うけど…
完治は無理だけど、ここ最近位には、
3ヶ月もあれば、柏木さん次第で
戻せると思う。期待していて。」
そう言って、笑みを浮かべる
カノジョをみて背筋が凍る。
…絶対ハードだ…
鬼みてぇな、メニュー突きつける
つもりだな…アレ…
「マジで?!サンキュー」
…なんて、野郎は喜んでいるけど…
「「…柏木…ご愁傷様。」」
俺と斐川の声が見事にハモった…。