…たぶん…


柏木は、膝を痛めたと思う。




…アイツが、理由も言わず
『都合』なんて単語で
バスケの練習に来ないなんて
考えられない。


…そして、コイツ…俺の
カノジョに…怒られるのが
怖くて、躊躇しているのも
想像に容易い…

マジで、怖いからな(苦笑)

身体を心配してって事を
百も承知していたとしても。
我が恋人ながら、あれは、
まさに、鬼だと思う(笑)

いや…まあ…昔から
スゴく、頼りになるけれど。


…なっても、怖いモンは
怖いよな…


柏木、御愁傷様(笑)

「ねぇ、何かあったの?」

「えっ…?」

カノジョが訝しげな眼差しを
こちらに向けてくる。

「えっ…?なんで?」

その意図が読めずに問えば。


「あの柏木さんが、この時期に
故障をぶり返す様なヘマを
するなんて、考えられないわ。」


そう言いながら
腕を組み唇を尖らせる。