あの身長…
180cmそこそこの人間なら
ともかく…
あの長身、斐川の他に
誰がおんねん?!
何でアイツが、こんな処に
おるねん?!
逆上せる様な感情を
なんとか、落ち着かせながら
目的のオトコに歩みよる。
コトッ…心地よい寒さの中
解錠の音が響く。
「こんなところで、
何してるんや?斐川。」
無表情なのに、最大限に
見開かれた瞳孔が、
奴の驚きを物語っていて
吹き出しそうになる。
…コイツは、
素直にいうやろうか?
何処に居てたかって事を。
Yesならーーーー
最早、敵にはならないが…
「…佐藤係長から、頼まれた
納品に来てたんだ。」
…あのオッサン…
何が、目的やねん…
「ふぅ〜ん…こんな住宅街に
取引先なんかあったんやな。」
「それより、何故、お前が
こんな所にいる?」
ーーーーNOならーーーー
「俺?」
人の悪い笑みを浮かべてやる。
「ホンマは、わかってるやろ?」
事これに関しちゃ、
完膚なきまでに、
敵は叩き潰すからな。
欲しいモノは、
全力で取りにいく。
後悔は、したくないから。



