…等と…
脳内で、テルテルのワナと
バトルロイヤルを繰り広げて
いたものの…
悲しいかな、片想い真っ盛り中の
オトコのアタマの中など
中2真っ只中な状態な訳で…
確実にワナと知りつつも
カーナビの示すルートを
辿ってしまう。
モチロン、自宅迄のルートに
その立地があるから
通過するだけであると、
自分自身に言い訳する事も
忘れない……
目的地を知らせるアナウンスが
聞こえて、再び、心音が
乱れてくる。
落ち着け…俺…
ギックリ腰のレンちゃんが
こんな時間にプラプラ
表を散歩していること等
あり得ない。
「…?んあ?」
住宅街を減速して走る車窓から
捉えたのは、とあるマンションの
駐車場に駐まる社用車。
「あの車番…」
うちの部署の車…
「…え?どういうことやねん。」
死角狙いの空車スペースに
車を停め、エンジンを切り
しばらく様子を眺める。
「暗くて見えへんやんけ。」
もう、諦めかけたその時…
社用車の運転席側に
人影が見えた。
アタマで理解するより
身体の方が、反応が早かった。



