「レンちゃん。俺の為に
泣いてたりする?」


ちょっと思い上がった
台詞になってしまったけど

「…汗かいただけ…だもん。」


俺のハンカチを
目尻にあてて
そんな可愛い
強がり言う女の子。

…抱き締めたく
なるんですけど。


テルテルがトイレと迄
わかりやすい嘘をついて
俺らからレンちゃんを
隠そうとしたのは

多分、こうやって
力及ばずだった自分が悔しくて
泣いてる事を知ってたから。


…ずっと、そうやって
見守って来たんやろう
もう1人の俺の上司は。


でも…俺は


「レンちゃんの傍がいい。
アメリカよりも、
レンちゃんの傍に居たい。」


…俺は、やるだけの事は
やってきたから…


やるだけの事やって

故障したんやから…


バスケで食えないと
判断したんやから。


ここで、早く一人前になる。