「柏木、どうした?」


ミーティングルームをノックして
直ぐに顔を出したのはテルテルで

…何でオッサンの面
見やんなあかんねん…

…って、いつもなら思うけど

なんとなく…本当に、何となく

今日はコイツが…上司にコイツも
あかんかったっけ?(苦笑)

とにかく、レンちゃんより
コイツに話を通したいと
思ってたから、調度よかった。


「一応…報告だけと思って…」

だけど…寸前で、わざわざ
来る必要があったのか…?と
躊躇してしまう。

でも…俺の勘は
基本、ハズレる事はない。


「…部長が、会長秘書から
呼び出されました。
でも、最初に内線が入ったのは
レンちゃんの卓上の電話でした。」


…多分、あのタヌキの遣いで
内線してきたんやろけどな。


「サンキュー。すぐ戻る。
柏木も早く戻って仕事して。」


そういって、閉まった扉を
ちょっとだけ見つめて
俺は事務所に引き返した。