「なんかスゲェーな…。」

思わず神島が溢した台詞に
無言で顔をひきつらせた訳は…


ライヴ終了のエントランスで
繰り広げられた光景…


レンちゃんとオネイサンの
撮影会…(苦笑)


「スゲェ数の女子に
集られてるな。(笑)」


向こうの端では、アイドル野郎の
撮影会もやってるけど
そこは、あえてスルーしておく。


「挨拶…どうする?
して行かない訳にいかんしなぁ。」

「これ、いつ終わるんだろ?」


神島と呆然と見つめていれば


「おい。あれ。」

神島が顎で、とある方向を見る様
指示をしてくる。


「はっ?」


そちらへ視線を送れば
楽屋への仕切り幕の隙間から
気配を消したビジュアル系が
指でホールに戻る様、
指示している。


「…俺たちのことか?」


斐川も、特にチビッコから
何も聞かされていないらしく
意図が読めない。


人違いかと思い躊躇していれば
伝わらずムッとしたのか
明らかに眉間にシワをよせ
唇だけ動かして


“早く行け”


指示をだすビジュアル系…

あのビジュアル系
…後で…いたぶったろ(笑)