…やはり、な…
リヒトは、神島側についた。
多分、俺と当たる為だ。
何気なく観覧席に戻った
係長の姿をさがす。
「?」
知らない女性と
横並びに座る見慣れた姿に
何故?…と、訝しむ。
「…アレなら、刺客よけや。
要らんことする奴おるからな。」
そんな、柏木の台詞に
「…そうか。」
この時は、単純に、
リヒトのセクハラ対策だと
思っていて。
知らずとはいえ、
自分の過去の不始末が原因で、
係長をキズつけていたなどとは
思いもしなかった。
「よっしゃ。行こう。」
柏木に促されコートにはいる。
相手が誰であろうが
負けたくない。
ーーー特に…今日はーーー



