『3×3…先取2ゴールで。』
たどたどしくも、何とか
リヒトに向け言葉を発した。
アップ用にコートが
一面あけてある。
色物試合なんだから…
皆興味あるだろうし、
半面くらい貸してくれるだろう。
「俺達4人は、マッチアップの
経験があるから、ともかくとして
リヒトが未知数だ。
ヤツの動きみるなら…」
メンバーが足りないな。
柏木の掌からボールを取り
標的の後頭部をめがけ
放物線を描く。
「痛ええっ!!」
相変わらず似合いもしない
黄色のゼッケンをつけた
同級生にヒットする。
「一人足りない。手伝え。」
俺が、的を外すなど
有り得ない。
「なんだよっ!?真琴!
普通に呼びにこいよっ!」
当時と変わらず、速いパスが
手元に返される。
「神島と俺が、レギュラー時代の
コンビネーションを組んで
柏木とリヒトが新たな加算分子と
仮定すれば、条件はニアだろう。」
『リヒト、先に選べ。』
柏木が、どちらのチームに入るか
選択を促した。



