「レンちゃん、これは
アウトやろ!!(笑)
純朴な青年には、酷ちゃう?」

口をパクパクさせる俺を
容赦なく柏木が弄くりたおす・・

「いや~。神島君、
ビックリしたよねっ?!
ナイスキャッチ。
かたじけないっ。」

ええ・・・本当に
驚きましたよ・・・

この右足めっ!などと
お茶目に腕の中で笑う彼女に
俺の心臓は暴走している。

「神島ーーー取り込み中だろうが
心臓が止まる前に
その腕を弛めるべきだと思う。」

「ああ・・・そだな。」

斐川のドライな指摘に
後ろ髪をひかれつつ
音村係長の体を解放する。

なんだかーーー

手離すのが
もったいないなんて・・・

おかしな感情には

気づかなかったフリをした。