「何か…すげぇ、久しぶり。
…つぅか、想像以上の施設に
手ぇ出したな…」
柏木の車から降り立ち
荷物をおろしながら、
本日お世話になる体育館を
呆然と見上げる。
あの頃みたく、
ユニホームなんてない。
三人三様 好きな格好で
ボールを手にしている。
集合場所付近や、
すぐ近くの駅の改札からも、
似たりよったりの格好で
ボールを弄ってる奴が
続々と集まってくる。
「うーっす!
おい、もしかして
……一緒にいるのって、
斐川じゃねぇのかっ!?」
先般の打ち合わせで
顔を合わせた他校の上級生が
興奮気味に近づいてくる。
多分、斐川は、この人と
入れ代わりで高校へ
進学しているはずだ。
…斐川…わかりやすく
人見知りをするな…
いくつなんだ…
おまえは…(泣)
「神島、柏木、すまねぇな。
その様子じゃ、斐川のヤツ
お前らに迷惑かけてそうだな。
申し訳ない。」
「なっ…!…天野主将…」
さすが、斐川懐柔のベテラン。
…すねるな、斐川(笑)
斐川の出身校の元主将が
学生時代と、さほど変わらない
ヤツの様子に苦笑している。



