レンちゃんには、
くれぐれもナイショでねっ。
…っと、俺を拝みチケットを
一枚取り出した。
…そもそも、販売ノルマが
あるんだろう…?
「お前、売れなかったら
どうするんだ?それ。」
「ああ、基本的には自己負担。
多分、今回は他の共演者が
集客力あるから引き受けて
くれると思う。」
眉を潜めて苦笑する。
「ライブやるのって、
やっぱ普通は持ち出しが
多いんだ。趣味で音楽なんて
出来ないよ。
レンちゃんや真月達が
特別なだけで。」
現実なんて…
こんなものだろう。
「残り二枚も貸せ。
同行者に売ってやる。」
…俺の分も、お前が
損しない様にな。
不敵な笑みを浮かべ
譲り受けたチケットを
自分の財布に収めたのだった。



