……いま…何か隠したな。
「見せろ。」
「へっ?」
「いま、財布に何か隠した…」
ああ…ゴムか。
妙に納得をしたところ
「違うからっ!
いま、なんかエロ系な事
思っただろっ?!」
なんだ…違うのか…
「違うよっ!」
…心の声に
上手くツッコミを
いれてくるが……
「読心術でもできるのか?」
不審者を見る眼差しを送る。
「…斐川くん、自覚ないの?
随分、わかりやすいよ?
素直なんだよね。きっと。」
啓太のその言葉に
顔がカッと熱く火照る。
じゃあ、何を
隠したのだろう?
「ライブのチケットをね
手売りしてんの。他の皆の、
半分も無いんだけど…
まだ完売してないんだ。」
真月に頼めば
売れるんだろけど…
自分の分くらいはねぇ…
っと、頭をかきながら
啓太はため息をつく。
「それって…係長も出るって
いっていたヤツだろ?」
「そうだよ。レンちゃんは、
即完売だったってさぁ…」
そういって唇を尖らせる。
お前は、乙女かっ!?



